ステージに上がる人たちと、そこに集まった人たち。そして、その場所。
それだけでなく、いろんな要素が組み合わり、作用しあって織り成され生まれてくる「風合い」。「風合い」って縦糸、横糸から生まれる織物の手触りや肌ざわりのこと。触った時感じる質感のこと。
その「風合い」こそが音楽でいう「ライブ」の素晴らしさであり醍醐味だと思うんです。
どこでどのタイミングでどんな人とその日を迎えることになり、その日を作ることになるかが「風合い」の違いを生むのです。つまりそれも技術であり魂であり磨かれるものであるということ。
人が集まってそこに生み出される「風合い」。
バンドマンにとって、優しく、心地よい理想の風合い(ライブ)を生み出すための、どこでどのタイミングでどんな人と・・・の「どんな人」が対バンと言う意味だけに限りなく近くなっているのではダメだと思うのです。
誰々と対バン、どこどこと対バン・・・だから楽しい!テンションあがる↑っていうのはあまりに短絡的だと思うのです。
どんな人に来てもらいたいのか。そしてどんな風にその日を作り、過ごしたいのか。
僕にとって「動員」とはそういう意味であり、ただ単に「人数」ではなく、ライブをやる上でライブハウスとバンドが一緒になっていつも考えないといけないと思うことなのです。
最高の「風合い」を生み出すために。
「楽しい」ってそういうことやないのか?
風合い。
縦糸と横糸の織り成す生地の世界と書きましたが、もうひとついえば、その糸さえも実は「撚り(より)」っていうものがあって、細い糸をねじりあわせて一本一本が出来上がってるんですね。どんな強さでどのくらい撚るのか?それも大切な要素です。
そうやって出来上がった糸を縦と横にどんな風に交差させるのか?それが織物です。
まさに人と人との交じり合いに似ています。人ってひとりひとりどこかねじれてますもんね。(笑)